2010年10月、フィジー共和国で、ハビタット・フィジーによる水供給システム改善事業がスタートしました。この事業は、ハビタット・フィジーが、日本政府(外務省)の助成を通じて実施するプロジェクトです(写真右:在フィジー日本大使館・吉澤大使とハビタット・スタッフによる記念式典出席の様子)。
プロジェクト第一弾:タイレヴ県ラワキ村
プロジェクト第一弾は、フィジー本州ビチレブ島(Viti Lev)の北東海岸に位置するタイレヴ県ラワキ村(Lawaki, Tailevu)。工事は、ダムと5,000リットルの貯水槽2槽の新設、そしてそのダムと貯水槽をつなぐ配水管の取り付けという工程で行われ、急ピッチで作業が行われた結果、11月にはすべての作業が完了。これにより、約400人もの人々がきれいな水を安定的に手に入れることができるようになりました。
プロジェクト第二弾:ナイタシリ県タウレヴ村
プロジェクト第二弾のプロジェクトサイトは、ナイタシリ県タウレヴ村(Taulevu, Naitasiri)。それまでタウレヴ村では、ダムと雨水用貯水槽こそありましたが、水が頻繁に涸れてしまうため、385人の村人全員に水が届かないという問題が深刻化。乾期になると、洗濯や入浴に500m以上も行き来しなければならない状況でした。現場では、含水量10,000リットルの貯水槽3槽、5,000リットルの貯水槽8槽および約180mもの配水管が取り付けられると共に、より効率的に雨水を集めるための集水器の提供も行われました。これら新しい集水設備設置は、タウレヴ村の村人たちが積極的に参加し実現したものですが、ハビタット・フィジーのラバツさん(Ravatu)も、「村人たちは今回まず、自分たち手で現状を改善するという重要な役割を担いました。これからは、この改善がずっと続くようにオーナーシップを発揮していってほしいですね」とエール。今後は、タウレヴ村のリーダーと住民が、集水設備の適切な操作や管理方法、水源保護や財政管理などに関するトレーニングに参加し、具体的な技術やノウハウを習得していく予定です。
プロジェクト第三弾:ナドロガ‐ナボサ県サウタブ村
プロジェクト第三弾は、ナドロガ‐ナボサ県サウタブ村(Sautabu, Nadroga-Navosa)。現在、10,000リットルの貯水槽設置と排水管の取り付け作業が行われています。完成すれば、200人もの村人が水不足の生活から抜け出すことができます。
【フィジー】水不足を救いたい:外務省との水供給システム改善事業
2011/05/30