3月14日、タイ北部の都市チェンマイ市郊外で、全国各地から集まった「Japan Hope Builders11-1」(学生9名、社会人3名)が活動の全日程を終了しました。
この活動は昨夏と同様、大和ハウス工業株式会社からの支援をベースに、日本人チームが現地へ行って家を建てる「ジャパンプロジェクト」。チェンマイを含むハビタットのタイ北部エリアでは、昨年から、それまで6×6の36平方メートル(10.89坪)であった住居規格(サイズ)を改定、6m×9mの54平方メートル(16.33坪)の規格を採用することになりました。チームは今回、その一回り大きな家を、ホームオーナーさんや大工さん、ハビタットのスタッフと力を合わせ、チーム一丸となって築き上げました。
ホームオーナー家族
今回チームが支援した家族は、Pradithさん一家、Pradithさんの奥さん、お母さん、息子さんの4人で暮らしています。旧家は、一面木板やトタン板で覆われ、継ぎ接ぎだらけ。雨期には雨漏りがひどい上、大量に発生する蚊が壁の隙間から家に入ってくるなど、安心して眠ることもできず、健康被害にも悩まされていました。Pradithさんは生まれつき片目が見えませんが、障害のある自分でも家族が安心して暮らせる家を持つことができると信じ、今回、ハビタットハウスの申請を行いました。
建築開始、バケツでつなぐ想い
作業初日、作業は家の基礎づくりからスタート。バケツリレーで、家の床下部分に砂を入れ、埋めていきます。タイの3月はちょうど夏へ入る時期。熱い日差しが照りつける中、バケツに砂を入れるスコップ係も汗びっしょり。何度も何度もリレーを繰り返して、バケツに想いを注ぎ込みました。2日目は床づくり。前日作った砂の床下に水を含ませ、踏み固めた上に、コンクリートを流し込みます。チームのやる気は大工さんたちも呆れるほど。夜が近づいても黙々と作業を続け、立派な床を完成させました。
「家族の未来を守る家に」
3日目からは壁づくりが開始。床のセメントが乾くと、コンクリートブロックを積み重ねていきます。積み木や粘土のおもちゃではない、本物の壁づくりに参加者の表情は真剣そのもの。一方、その後方では、ブロックとブロックの接着に必要なセメント作りが行われ、供給を切らさないよう必死でサポートする姿がありました。4日目ともなると、次第に壁も高くなり、積み上げにより神経を使うように。苦戦しながらも、これが家族を守る大切な壁になると、一つ一つ丁寧に積み上げていきました。5日目、みんなで精魂込めて積み上げた壁は、全面歪みなくきれいに整い、現地の専門家が「さすが日本人。これぞプロの仕事」と評価するほどの出来栄えに仕上がりました。
家の完成を祝う「カギの贈呈式(House Dedication Ceremony)」では、Pradithさんが、「やっとこの日を迎えることができました。とても明るい未来が見えていて、なんだか両目が見えるようになったかのようにうれしい」と、抑えきれない感動をいっぱいに伝えてくれました。Pradithさん一家の入居は、細かい窓枠作りやドアの取付け、電気配線の作業などが終了した後の4月末を予定しています。
*1) 今回の活動にご支援頂きました大和ハウス工業株式会社の皆様には厚く御礼申し上げます。
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★次回募集について:今夏は、タイに加え、バングラデシュでの活動も予定。詳細が決まり次第、HPにてご案内します(5月上旬を予定)。普段は個人で参加するのが難しいハビタットの海外住居建築活動。ご参加お待ちしています!
★バックナンバー(過去の活動リポート)
≫2010夏 Japan Hope Builders 10-3
≫2010春 Japan Hope Builders 10-2
≫2010春 Japan Hope Builders 10-1
≫2009夏 Japan Hope Builders 09-2
≫2009夏 Japan Hope Builders 09-1
≫2009春 Japan Hope Builders 09-1
≫2008夏 Japan Hope Builders 08-1
2011春「タイの家族と一緒に家を建てる8日間」活動終了!
2011/03/17