今年の夏は暑い日が長く、8月から9月の間に都内で活動するボランティアの皆さんはいつも汗だくで動いてくださいました。8月から9月の間、5人の方へ布団セットをお届けし、4人のお宅で清掃支援活動を行いました。活動に参加してくださったのは、ハビタット・ジャパンのキャンパスチャプター(学生支部)に所属する大学生の皆さんやこれまで活動に参加したことのある一般の方などです。中には、関西方面から参加してくださった方もいらっしゃいました。
清掃支援の依頼が増えてきました。
ハビタット・ジャパンの事務所が新宿区にあることから、ここのところ新宿区内の活動が増えてきています。新宿区行政機関や福祉事業所、さまざまな支援団体などからのご依頼が多く、徐々に国内居住支援活動の取り組みとしてハビタットが行う清掃支援が認知されてきています。
活動依頼の主な理由としては、ヘルパーなどの福祉サービスを導入するために、まずは室内を清掃してほしいというものです。ヘルパーサービスは基本的には日常の生活の支援であり利用時間も限られてくるため、あまりに室内の状態が悪いと、ヘルパーサービスを提供してくれる会社をみつける、つまりヘルパーサービスにつなげることが難しくなります。そこで、状況を改善する手だてのない時や、緊急の場合は、福祉支援職の方々が業務の枠を超えて清掃を行い、ヘルパーサービスにつなげるよう試みていたそうですが、手を回しきれないケースも多かったそうです。ハビタットによる清掃支援活動はその家に暮らす方だけでなく、そういった意味で福祉支援職の方々にも大変喜ばれています。
地域の社会資源として
このように事務所のある新宿区内で活動が広がってくると、地域の一員、つまり地域の社会資源として密着した活動がしやすくなります。例えば、依頼があったその日に徒歩で場所を確認しに行くことができますし、継続的に支援し訪問するという活動がより身軽に行えます。9月はより地域に密着していくために、キャンパスチャプターに所属する学生ボランティアの協力のもと、新宿区の都立戸山公園で開催された「しんじゅく防災フェスタ2018」や戸山地区で行われた「ニコニコフェスタ」に出展し参加してきました。
しんじゅく防災フェスタでは、新宿障害者センターのブース内で防災ゲームコーナーを担当させていただきました。なぜ防災フェスタかというと、清掃支援は居住環境を安全に保つ防災効果もあるからです。ハビタットはこれまで東日本大震災や熊本地震の被災地で発災後の支援に取り組んできました。その経験を踏まえ、「安心・安全に暮らせる住まい」を守るためには日頃からの防災、そして減災への取り組みが欠かせないと感じています。私たちが拠点とする新宿にいつ大規模な地震が発生し私たちが被災するかは分かりません。発災に備え、日頃から地域で助け合いの輪、それぞれ顔の見える関係を築くことは防災・減災につながると考えています。
一方、ニコニコフェスタでは住まいの相談コーナーを担当させていただきました。会場は地域の高齢者が日ごろ利用する地区会館ということもあり、近隣の方がたくさん訪れてくださり、私たちの取り組み、そして私たちがハビタット・ジャパンであるということを知っていただく機会につながりました。
今後も戸山地区をはじめ、新宿区内を中心に、地域密着を大切にしながら、地域の社会資源として国内居住支援で掲げる「今ある住まいを守る」そして「新しい住まいにつなぐ」活動に取り組んでいきたいと思います。