灼熱の太陽が照りつけた7月21日(土)、4月から開始した布団配布の支援をハビタットのキャンパスチャプターに所属する学生ボランティア2名の協力のもと実施しました。この日訪問したお宅は国内の居住支援で連携する団体を通じて出会った3名のお宅です。すのこマットとお布団セット一式を届け、ボランティアがセッティングを行い、すのこの使い方から布団の干し方までを伝授することが一連の流れです。

布団配布の支援は、清掃支援を通じて見えてきたニーズの一つです。清掃支援で出会う方の中には生活保護を受給している方も多く、寝具は生活保護の受給開始時に支給されたものを長く使い続けたことで薄くなってる方が多く見受けられました。また、経年劣化に加え、片付けが困難なことにより住環境が悪化し、布団は汗や湿気を吸い込み、カビが発生するなど無視することができない衛生状況でした。

今回訪問したお宅の一つ、山本さん(仮名)は30代の男性の方です。お部屋にあがると、そこには必要最低限のものしかないすっきりとした状態でした。流行りのミニマリストのようですが、お会いしてお話をすると必ずしもそうではないことが分かります。

様々な事情により現在は休職されているとのことです。そのため、生活保護を受給して暮らしているそうですが、半年ほど前に敷布団をダメにしてしまってからは新しい寝具に交換することができず、掛け布団を敷布団代わりに使って生活していたそうです。フローリングに直に敷かれたことで、掛け布団はその膨らみを失い、まるでシーツのような薄さになっていました。心配は寝心地だけでなく、その衛生面や健康面です。「布団は欲しかったけれども、買えませんでした」そう静かに話す山本さんは、最初はただただその場に佇んでボランティアの動きを見守っていました。ボランティアの学生が簡単なお掃除を行い、山本さんにすのこの使い方、布団のほし方、シーツの付け方などを一つ一つ丁寧にお伝えする中で、少しずつ心を開いてくださり、次第に呼びかけに応じて、ボランティアと一緒に古いお布団を片付けることを手伝ってくださいました。

活動に参加した大学生の島野さんは、「一見何ら問題のない若者に見える山本さんは、自分から主張されるタイプではないと思います。一方、周りからは普通の方と変わらなく見えるので、結果、山本さんの生活に必要なことにがあることに気がつかず、山本さんも発信できずに暮らしてしまう心配がある」と話してくれました。布団の配布により、山本さんの心配事を一つ減らすことができたのではないか、そう2名の学生ボランティアは活動の意義を感じ取っていたようです。

4月に布団配布の支援を開始してから3か月、これまでに約22名の方に寝具の交換を行うことができました。
この活動は森村豊明会の助成を受けて布団を購入することができています。

その他、国内居住支援の取り組みには、運営を支えるための資金が必要です。支援活動の基盤を支えるために、引き続き皆様からの活動へのご理解とご寄付へのご協力をお願いいたします。

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