[バングラデシュ ブアプール発 12月31日 プロジェクト・マネジャー 渡辺 和雄]  ダッカで数日間の仕事をおえて、ブアプールに戻るとオフィス前の作業場では、かつてない量の竹が山をなし、池には次から次へと切りそろえられえた竹が投入されていた。
 池に浮かんでいる多数の竹を目にすると、東京湾沿いを走る京葉線の高架から見た新木場付近の風景を思い出す。
 もう10年以上まえになるが、京葉線で都内に通勤していたころ、電車から海に浮かんでいる木材を見るのが楽しみだった。あれは、木材をそのまま船で引っ張れば輸送しやすいからだと思っていたのだが、そればかりでなく、こちらのプロジェクトと同様、防虫や耐久性を増す目的もあるのかもしれない。
 朝から夕方まで、竹の処理にフル稼働している50人以上の作業員の働きぶりを見たのか、竹を扱っている販売業者の来訪が相ついでいる。こちらが、よい顧客になると考えたのだろう、竹を売り込むための営業に来ているのだ。
 でも、このプロジェクトで使用する竹の購入価格は決まっており、量や質などとともにこちらの条件にあわなければ、そう簡単に取引には応じられない。
 待ちに待った最初の竹が届いてから、そろそろ2週間がたつ。12月31日の今朝、さらに500本の竹が搬入された。
 竹の家を120戸、建設するために必要な竹の総数は9000本。
 今年の最終日。日本では大晦日。今晩は除夜の鐘の音は聞けないものの、せめて中天にかかる月を仰ぎながら、来る2008年の幕開けを祝いたい。
(31日の作業の様子)
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(元旦の朝、スタッフがお菓子を配っていた。)
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