【4月4日】
本日はAJU車いすセンターの川原さん、AJU自立の家の菅沼さんとご一緒し、災害対策本部と避難所をまわりました。まず各施設の様子をお伝えします。
<穴水災害対策現地本部>
穴水の避難所にいた方は「キャッスル真名井」という国民保養センターに移りました。家族ごとに部屋が割り当てられ、避難所よりずっと快適な生活ができるようになったので、不眠症なども少なくなり、健康状態もよくなったとのことです。次の課題は長期化する避難生活の質を高めていくための工夫です。運動や娯楽など、関係者やボランティアも話し合いを重ねていました。
<門前西小学校(避難所)>
仮設トイレの間仕切りはどこも壊れておらず、本郷くんと日向子さんの技術に感謝しました。避難している方の数は減っているようでした。また15人ほどの方が感染性の胃腸炎にかかったということでしたが、終息しつつありました。
<黒島公民館(避難所)>
とても狭い倉庫を更衣室に使っているとのことだったため、AJUの方が間仕切りを手配しました。家は直せばまた住めるようになる状態である方が多かったのですが、土蔵が崩れてしまったという声がかなり聞かれました。土蔵は家財を火災や盗難から守ってくれますが、地震には強くありません。家も直さなければいけないし、部屋は散らかっているし、と言いながらも、にこやかに談笑する姿に感銘を受けました。おばあちゃんたちは強いです。ちょうど夕食の少し前だったので、自衛隊の方があたたかいご飯を運んできてくれていました。また上下水道とも復旧したので、洗濯機が備え付けられました。
<阿岸公民館(避難所)>
ここは同じ集落の方が集まっているということで、50人ぐらいの大家族というような感じでした。ちょうど夕食の準備をしているところだったのですが、避難している方の中で役割がきちんと分担されているようで、見事なチームワークで夕食が整えられていました。
次に全体的な情報のフィードバックをいたします。
・自宅に残っている人のほうが実はシビアな状態にいる可能性があります。病人がいたりする場合、避難所には行かず、不自由を覚悟で自宅に残られる方もいるようです。行政でも1軒ずつ電話をして様子を聞いたり、相談に乗ったりしていますが、それでは不十分だとも感じており、対策を考えているようでした。
・仮設住宅は被災した方が住んでいる地域につくることになっているため、コミュニティを離れずにすむようです。当初は仮設住宅への申し込みを迷っていたような方が心の整理をつけたためか、申し込みの数が増えています。
・避難所やコミュニティのニーズは次の段階に移行しつつあります。つまり今後の生活をどうしていくか、というところに焦点が移ってきています。
・県外からのボランティアは本日で活動を終える方が多いようでした。ボランティア受入期間は延長されたようなので、残る方もいます。今後は地元のリソースを活用していく方向になるのかもしれません。
私の活動はこれでいったん終わります。
石川県の薬剤師会がボランティアで薬剤師を派遣しているので、代わりに父親に役目を果たしてもらうことにします(避難所などでお年寄りの薬の相談にのったりするようです)。
◆バックナンバー
- 【能登半島地震】 第5報
- 【能登半島地震】 第4報
- 【能登半島地震】 第3報
- 【能登半島地震】 第2報
- 【能登半島地震】 第1報
- 【緊急】「能登半島地震」被災者支援を開始
【能登半島地震】 第6報
2007/04/05