国内の住まいの貧困に取り組むProject HomeWorksが本格始動して間もなく半年になります。中野区や練馬区で、高齢でひとりでは掃除が困難、住まいの環境を清潔・安全に保つことができないという方などを対象に、清掃、修繕、見守りを通じて住まいと生活の支援を行っています。 

そんな中、連携するホームレス支援団体「つくろい東京ファンド」から相談があったのが、シェルターの雨漏りや、とても急な階段の安全性の問題でした。シェルターは、路上生活から抜け出そうとする人たちが、身体と心を休め、アパートに入居するまでの様々な手続きを行う間滞在する一時的な住まいです。個人のプライバシーが守られ、安心して自分のペースで次のステップに進むための大切な場所です。

 そしてこの度、日本ヒルティ株式会社が、シェルターの環境改善を支援くださいました。ヒルティの皆さんはこれまでも、その知識と技術を生かし、東北復興支援や学生ボランティアへの安全講習を通じてハビタットを応援くださっていました。そのご縁で今回は初めて、都内でのボランティア活動に参加されました。


  • ハビタットにいつも協力してくださっている建築士の愛場さんの指導・監督のもと作業は始まりました。

9月23日、12名の社員ボランティアが駆けつけ、現場監督を務める建築士や大工さんとともに修繕作業を実施しました。
作業は、壁の薄い居室の防音対策、階段への手すり設置、そして2階居室の窓への転落防止柵の設置です。ヒルティの皆さんは大工さんの手ほどきを受けつつ、和気あいあいとした雰囲気の中、着実に作業を進めていきました。慣れた手つきで工具を操るボランティアも多く、素晴らしいチームワークにより、当初1日で完了できるか懸念されていた作業もすべて終えることができました。大工さんも驚くほどの仕上がりでこの日の活動を終了しました。

  • 棟梁の阿部さんの技術指導の下作業が進みます。

  • 階段の手摺の設置の様子。

  • 壁の防音対策工事の様子。まるで職人集団のようです。

現在、シェルターの2階の部屋を利用している男性からは、「わたしは足が悪いから手すりがついて登りやすくなって助かった」という感想をいただきました。

今回のシェルター環境改善の支援により、シェルターに今入居している人、そしてホームレス状態から抜け出し生活を立て直す決意で新たに入居してくる人たちが、より安全に過ごせる「住まい」を整備することができました。

 


Project HomeWorksの活動は、多くのボランティアが関わってくださることで成り立っています。今後もハビタットは、企業サポーターやボランティアとともに大切な住まいの環境を整えていく活動を続けていきます。

  • 建築士の愛場さん(左)と棟梁の阿部さん。

  • いつもハビタットを応援してくれているボランティアのキムさんです。

  • ランチはみなさんと一緒にいただきました。しいな町カフェさんありがとうございました。