ハビタットは、児童養護施設や母子生活支援施設など、住まいに代わる福祉施設や、地域づくりに欠かせないコミュニティスペースが抱える修繕ニーズに応えることで、誰もが安心して暮らせる住まい、そして安心できる地域社会の実現を目指しています。近年、施設修繕に賛同くださる企業が増え、企業が提供する商材やサービスを活用することで、これまで以上に多くの施設に支援を届ける仕組みが整いつつあります。
その一つが、インテリア業界を牽引するリーディングカンパニー、株式会社サンゲツとの協働です。同社は、企業理念に沿って、子どもや住まいに関わる社会課題の解決に積極的に取り組んでおり、その一環として、国内外におけるハビタットの活動にご支援をお寄せくださっています。国内では修繕を予定する施設の壁紙や床材の貼り替え、カーテンなど自社製品を寄贈し、施工までご支援くださっています。
施設修繕の対象となる母子生活支援施設とは、生活の困窮や家庭内での暴力など、さまざまな事情を抱えた母子が暮らすことができる入所型の施設です。母子は施設での暮らしを通して、スタッフや専門家のサポートを受け、地域での自立した生活を営む上で欠かせない生活の基盤を整えていきます。
施設内の居室は、一般的な住居と同様に、プライバシーが確保されており、居室の管理は母子にゆだねられています。中には居室の環境がひどく悪化している状況もあり、昨年ハビタットに相談が寄せられた某施設は、一部屋はたばこの煙で壁が黄ばんでしまった上に、油汚れが床や壁にこびりつき、掃除だけでは新たな母子を迎え入れることが困難な状態となっていました。本来は退去時に原状回復が求められますが、入居していた母子には修繕費を賄うことができない状況でした。さらにこれから退居する母子の居室も大掛かりな修繕を必要とする状態にあったため、ハビタットがこれら二つの居室を修繕するには、まだまだ多くの時間が必要な状態でした。
そこで、昨年夏、施設が抱える課題をサンゲツに相談したところ、施設が抱える窮状を理解くださり、壁紙と床の貼り替え、またアコーディオンドアの寄贈と設置の支援が決定しました。工事の着工は母子の退去時期に合わせて年明けにずれ込みましたが、2月には、2つの居室で計画した修繕がすべて完了しました。一方、相談が寄せられた別の施設では、一つの居室に加え、後回しになっていた事務棟の壁紙をサンゲツに交換いただきました。
サンゲツと協働で改修に取り組んだ3つの居室は、新たな母子を迎え入れる準備が整いました。誰もが安心、安全に暮らせる住まいを持てるよう取り組むハビタットの支援に国内外で協働くださるサンゲツの皆さまは、ハビタットの心強いパートナーです。ご支援に心より感謝申し上げます。