「太陽寮をなおしてくれて、ありがとうございます!」そう元気に挨拶をしてくれたのは、神奈川県大磯町にある児童養護施設「エリザベス・サンダース・ホーム」に暮らす子ども達です。昨年末、住宅設備機器メーカー・タカラスタンダード株式会社との協働のもと、ハビタットは「エリザベス・サンダース・ホーム」の敷地内に建つ男子寮「太陽寮」のキッチンリフォームを支援しました。

「太陽寮」は、同施設の中でも最も古い建物にあり、この建物にある太陽寮をはじめとした男子寮は、老朽化に加え、室内が大部屋を基本とした空間設計のため、パーテーションを用いてプライバシーを確保するなど、子どもたちが安心、安全に暮らす上で課題を抱えていました。こうした課題に触れ、ハビタットはそれぞれの寮の改修計画を策定し、改修に必要な資金を企業や個人の皆さまから募り、2023年に「朝凪寮」、続いて2024年に「太陽寮」の改修を行いました。改修支援では、子ども達の居室空間にプライバシーを確保するための壁を造作して個室を作ったほか、寮全体の壁や床を貼り替え、照明の位置を調整して各個室に灯りが届くよう改修を行いました。しかし、資金的な課題から、台所は当時のままとなっていました。こうした中、ハビタットの取り組みに新たに賛同くださったタカラスタンダード株式会社さまのご支援を受け、新たに子ども達を迎え入れる「太陽寮」に同社が製造するシステムキッチンを寄贈・施工いただくことが叶いました。

施工を終えた1月21日、タカラスタンダードの社員の方々を「エリザベス・サンダース・ホーム」に招き、同施設内の落ち葉掃除や草刈りといった環境整備にボランティアとしてご協力いただいたほか、キッチンの寄贈式とお披露目会を行いました。完成した太陽寮のお披露目は、施設に暮らす子どもだけでなく、多くの職員にとってもこの日が初めてのことです。学校から戻ってきた子ども達が太陽寮に続々と集まり、明るい印象に生まれ変わった対面型のIHオープンキッチンに驚き、収納扉を開いてみたり、ホーローの壁にマグネットを貼ってみたりするなど、興味津々の様子が見られました。また、子ども達を連れて内覧に来た職員の方々からは、「IHいいね!五徳を洗うのはなかなか大変なんだよね」「あちこち充実していて、痒い所に手が届くキッチンだね」「子ども達が見渡せるの、すごくいいね」といった言葉や、キッチンが生まれ変わり、明るい印象になったことで「寮全体が広く見えるね」といった言葉が聞かれました。寄贈式では、同施設の理事長より、子ども達の成長を支える上で欠かせない居住空間についてお話をいただき、タカラスタンダードの植村様からは「私たち企業にとって子ども達のために何ができるかを考えるきっかけになりました」と感想をいただくことができました。

子ども達がより安心、安全に暮らせる住まいを整えるためには、引き続き多くの皆さまによるご支援とご協力が欠かせません。システムキッチンを寄贈・施工くださったタカラスタンダードの皆さまに心から感謝申し上げます。


タカラスタンダード株式会社

1912年創業。「水まわりって、大切だから」をブランドメッセージに、独自の「高品位ホーロー」技術を活かしたシステムキッチン・バスを中心とした住宅設備機器を製造販売。より高度化、多様化、複合化するお客さまのニーズにお応えするホーロー技術のリーディングカンパニーとして、また住宅設備機器のトップメーカーとして、次世代を担う新たなホーローの可能性を追求し、快適な暮らしの創造を目指しています。