能登半島地震に見舞われた被災地では、夏の到来を感じさせるお祭りが各地で催されるなど、震災からの復興を願って人々が立ち上がり、復興を願う思いが感じられます。ハビタットでは、被災された方が一日も早く安心、安全に暮らせる住まいを取り戻せるよう、7月も引き続き門前町で棚作りワークショップの開催と被災家屋の建築士相談に取り組んでいます。

7月6日と7日の二日間かけて、新たに入居が始まった輪島市門前町の仮設住宅で、棚作りワークショップを開催しました。この日集まったのは、金沢大学を拠点に活動するハビタットの学生「金大ハビタット」の学生ボランティアです。2日間の活動で、合計16名が門前町に駆け付けてくれました。中には、二日連続で金沢と門前町間を往復し参加してくれる学生や、今回の活動が門前町での9回目の活動だと話す学生もいるなど、金大ハビタットは、ハビタットが被災者支援活動を続ける上で頼もしいパートナーです。

ワークショップ当日、9時過ぎに現場に到着し、学生ボランティアと開催準備を始めていると、住民の方が次第に集まり、10時の開始時間には長蛇の列ができました。仮設住宅の近くにある避難所で3月頃に棚作りを行ったこともあり、多くの方が開催を聞きつけ、個人世帯への棚作りワークショップを心待ちにしてくださったそうです。住民の方の中には、ご自身のノコギリや電動工具を持参する方、また必要な収納棚の図面を描き起こす方がいるなど、楽しみに待ちわびている様子が伺えました。

開始時間が来ると、学生ボランティアは二人一組で4つのチームを組み、受付順にまずは4世帯の棚作りに取り組みました。それぞれのチームには棚作りワークショップを経験した学生がついたこともあり、図面起こしから棚の組み立てまで、スムーズにスタートしました。そして、工夫が凝らされた、新しい形の棚作りにチャレンジする様子が多く見受けられました。限られた居住スペースを有効活用するため、洗濯置き場のスペースを有効活用したいと話し棚作りに参加くださった住民の方は、「知恵を出してくれたから、いいのができたよ。既製品にしてもいいくらいだよ!」と感嘆の声を上げるなど、あちらこちらから感謝の声が聞かれました。

今回の棚作りワークショップでは、ワークショップに参加される住民の方々だけでなく、活動を見守ってくださる住民の方々にも多くお会いすることが出来ました。二日間の活動を見守ってくださったお一人の方に、「棚を作ってませんよね」と声を掛けると、「自分は在宅だから、棚はいらないんだよ」、そう話し、楽しいから活動を見守っていたと教えてくれました。そして、ワークショップを終えると、最後の片付けまでお手伝いくださるなど、住民さんたちの温かさに触れ、スタッフも学生ボランティアも、優しさに溢れる能登の人たちの一日も早い復興を心から願い、二日間の活動を終えました。ハビタットでは、引き続き門前町で建設が進む仮設住宅に入居される方々を対象に、棚作りワークショップを開催してまいります。居住環境を整えるために必要な収納棚を支援することで、ひとりでも多くの方の生活再建をサポートできるよう、引き続きのご支援をお願いいたします。ご寄付はこちらよりお願いいたします。