ハビタット・ジャパンの施設修繕は、児童養護施設やシェルターといった、一時的でも住まいに代わる福祉施設を修繕することで、そこに暮らす人々が安心して過ごせる環境づくりに取り組む活動です。ジョンソン株式会社より新たにご支援をお寄せいただき、2023年は3つの修繕プロジェクトを実施しました。
その一つが、神奈川県横浜市にある障害児入所施設「横浜訓盲院」です。現在は、視覚障害のあるお子さんだけでなく、さまざまな障がいを抱える未就学児から高校生まで総勢40名の児童が暮らしています。半世紀以上前に建てられた建物は経年劣化による傷みが目立ち始め、建て替えが必要な時期にきていますが、建て替えが実現するまでの間、今施設に暮らす子ども達、そして施設スタッフの方が安心して、そして安全に過ごせるよう修繕を必要としています。
同社との協働を開始した1年目は、傷みの目立つ居室を改修し、2年目はお湯が使えるよう洗面所の改修を行いました。そして3年目となる本年は、浴室の改修を実施しました。4階建ての建物は、1階、2階、4階が男子寮、そして3階が女子寮となっています。元々は2つの浴室が1階にしかなく、歩くことが不自由な子どもたちを抱きかかえて1階に運ぶこともあったそうです。そこで、10年ほど前に3階の居室の一つを女子用浴室として改修し、今は3つのお風呂で子ども達が日々入浴しています。
しかし、開設当初に作られた1階のお風呂は、タイルが剥がれ、3つあるシャワーの内使えるのは1つしかありませんでした。また、脱衣所の換気が悪く、一日に何十人もの子どもの入浴介助を行うスタッフは、夏場は扇風機で湿気と暑さをしのいできたそうです。一方、4階のお風呂自体は比較的新しいものの、脱衣所として使えるスペースがないため、浴室内にマットを敷いて着替えを行ってきたそうです。そのため、タオルや洋服が湿気で濡れてしまうだけでなく、年齢によってはひと前で着替えを行うことに抵抗を感じる子もいるそうです。
こうした施設からの相談を受け、ジョンソン株式会社のご支援により、ハビタットは男子風呂2箇所と女子風呂1箇所の修繕を実施しました。男子寮で支援員を務める内田さんは、「3つのシャワーが使えるようになり、子ども達が一緒にお風呂に入ることができ、喜んでいました」と、子ども達の様子を教えてくださり、続けて「スタッフにとっても入浴介助は時間との勝負なので、一度に3人のお子さんをいれることができるようになり、助かっています」と話してくださいました。
エアコンを設置
改修後の男子風呂
脱衣所を増設した女子風呂
2023年は横浜訓盲院のほかに、母子生活支援施設の居室一部屋の改修と、横浜市旭区にある児童養護施設と児童家庭支援センターを併せもつ「旭児童ホーム」で修繕を実施しました。旭児童ホームが建てられたのは今から20年ほど前になります。屋上やベランダの防水加工の耐用年数が10年とされる中、費用の関係でこれまで一度もメンテナンスを行うことができていなかったそうです。ハビタットによる施設修繕の取り組みを知った同施設のセンター長奥山さんからハビタットに相談が寄せられ、この春、ジョンソン株式会社によるご支援のもと、防水加工のメンテナンス工事を実施することができました。実施後に施設を訪問すると、「子どもたちの暮らしの場が整うことで気持ちに安心感が生まれ、大変意味があることです」と笑顔で話されていました。
旭児童ホーム
防水加工前
防水加工後
「住まい」を整えることは、安心、安全に暮らすことができる基盤です。施設修繕を通じて、母子が安心して生活できる基盤を整えてくださったジョンソン株式会社の皆さま、誠にありがとうございました。
ジョンソン株式会社について
本社は1886年に設立された、米国ウィスコンシン州ラシーンにあるSCジョンソンです。ジョンソン株式会社(以下ジョンソン)は、人々を刺激し、多くの機会をもたらすのは、より持続可能で、より健康的で、より透明性の高い世界であると信じています。そして、その世界は実現可能であると確信しているだけではなく、その世界を実現することこそがジョンソンの責任であると考えています。
ジョンソンの伝統であるイノベーションと、大胆かつ透明性のある決断力があるからこそ、ジョンソンの代表的なブランドであるスクラビングバブル®、カビキラー®、パイプユニッシュ®、ファミリーガード®、グレード®、エコベール®などの高品質な製品が、世界中のほぼ全ての国の家庭、学校、企業で使用されているのだと思います。
グローバルな目的主導型企業として、ジョンソンは今日の、そして未来の世代のために、世界をより良い場所にすることを約束します。これは、ジョンソンが持つ科学、イノベーション、協力関係における専門知識や技術を使って、プラスチックごみの削減やマラリアの撲滅など、世界で最も差し迫った環境と健康の問題に絶え間なく取り組むことを意味します。また、制限があって機会に恵まれないけれど、無限の好奇心と可能性を持つ人々とコミュニティに対し、ジョンソンは世界中で経済的、教育的機会を提供する支援を行っています。
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