ハビタットの国内居住支援「プロジェクトホームワークス」で取り組む清掃・片付け支援には、単身で暮らすご高齢の方や障がいをお持ちの方からの相談だけではありません。この春から支援を開始したのは、二人のお子さんと暮らす4人家族の松田さん(仮名)です。脳梗塞により松田さんの夫が倒れたことを機に、支援員の方からハビタットに清掃・片付け支援の相談が寄せられました。

松田さんのご自宅に伺うと、リビングは座るスペースもないほどにモノで埋め尽くされていました。これでは、在宅介護に必要なスペースを確保することができません。松田さんにお話を伺うと、松田さん自身が15年ほど前からうつ病を患っていることを教えてくださいました。「気が付いた時には、どこから手を付けたら良いかわからいない状態でした」と、片付けたい気持ちに反して身体が思うように動かない日々が続いたことを話されました。 清掃活動では、まずはご家族が寛げるリビングにスペースを取り戻すことから始めました。第1回目の活動は、大学の春休みと時期が重なったこともあり、学生さん4名と一般の方の計5名が活動に参加してくださいました。片付けを始めてみると、お子さんたちが幼かった頃に撮影した写真や製作した作品が数多く出てきました。会話の中からもお子さんたちへの愛情が感じられる松田さんは、思い出のモノを見つけるたびに、「懐かしい」と口にされ、片付けを進めていました。片付けを進める中で、松田さんが大切にしていたぬいぐるみや本などが見つかると、「こんなところにあったのですね!」と喜ばれ、ボランティアさんと好きな本について語り合う場面があるなど、和やかに片付けが進みました。

2回目と3回目の活動では、リビングに長い間放置されたままとなっていたベビーベッドやおもちゃ、ベビーチェアーなどをごみとして出す作業をお手伝いしました。解体できるものはボランティアさんがのこぎりやドライバーを使って小さく解体していきます。暑い中でも苦労を厭わずに黙々と作業されるボランティアさんの姿に、松田さんは「本当にありがたい」と感謝の言葉を述べていました。 3回の活動を終える頃には、リビングは家族で食事を楽しんだり、テレビを見たりする憩いの空間としてのスペースを取り戻すことができました。

「ボランティアさんに片付けて頂いたあと、娘は早速リビングでテレビを見ていました」との連絡が松田さんから入り、高校生になる娘さんが喜んでいた様子を教えてくれました。 このお宅の清掃支援はあと数回で終了する予定です。長年「片付けなくては」という思いを抱きながら過ごされてきた松田さんですが、「気持ちが少し軽くなりました」と話されます。片付けの仕方が身につき、今では松田さんお一人でボランティアがいない間も少しずつ片付けを進めてくださっています。 ハビタットの清掃・片付け支援では、ホームパートナーさんの心に寄り添い、進めていきます。引き続き活動へのご支援とボランティアとしてのご参加をお願い致します。ご寄付はこちら。ボランティアとしての参加はこちらをご覧ください。

  • リビングのBefore

  • リビングのAfter