バットホームは町田市内の閑静な住宅街の中にある緑に囲まれた児童養護施設で、40人の子供たちが暮らしています。施設内やその周辺には寮やグループホームが点在し、各寮では数名の子供たちが職員とともに共同生活を送っています。そして、そこは子どもたちにとって日々の疲れを癒し、明日への活力を養うまさに「家」なのです。ハビタットでは、国や地方自治体から出る補助金では修繕できない施設内の補修や、急を要する施設が必要とする修繕のニーズに応え、子どもたちが安心して過ごせる住環境づくりに取り組んでいます。

この春修繕を開始したのは、バットホームの施設内に建つ「憩い寮」の外壁補修です。現在は3名の学生が職員とともに生活をしながら、社会人となった後も自立して生活していけるよう、生活に必要なことを日々学んでいます。しかしながら、築38年が過ぎた建物は、外壁の塗装が劣化して剝がれているだけでなく、壁の一部にはひび割れやコンクリートが割れて鉄筋がむき出しとなっている箇所があるなど、子どもたちが安全に暮らしていくために、修繕が求められていました。また、外壁の補修に加えて、施設では雨水流失の問題を抱えていました。施設の敷地は丘陵地であるため、隣接する住宅から3m程度高い位置にあります。側溝に落ち葉が積もるなどすると、大雨により側溝から溢れた雨水が隣接住宅に流れ込んでしまう状態が続いていました。

  • 築38年の憩い寮

  • 一部破損している外壁

  • 落ち葉に覆いかぶされた側溝

こうしたニーズを受け、建築士のスタッフが現場を調査し、修繕支援の実施を決定したハビタットでは、活動に賛同してくださる方よりご寄付をいただき、支援実施にむけて取り組んでまいりました。緊急事態宣言の発出などもあり、子どもたちの安全を第一に時期の見直しを行うなど時間を要しましたが、この春にようやく着工することができました。専門性が高く、また高所での作業が必要となる外壁補修はプロの方と、一方、側溝の掃除と雨水が流れ出ないようにコンクリート版を建て、セメントで固定する作業はボランティアの協力を得て3日間かけて行いました。

「ハビタットの海外建築ボランティアみたいで楽しかったです」、「久しぶりに体を動かすことができました」など、参加したキャンパスチャプターの学生ボランティアからは、汗をかいてボランティアを行う価値の再発見につながっていたようでした。

児童養護施設修繕支援には、ボランティアをはじめ、修繕支援を実施するために企業や団体等、多くのご支援が欠かせません。子どもたちの住まいを整え、健全な未来を築くための修繕支援へのご寄付はこちら