この春、海外建築ボランティア「グローバル・ビレッジ(GV)」プログラムに参加し、ネパールに赴いたのは関西学院大学Eco-Habitatの学生ボランティア19名です。GVは12名以上のメンバーからなるチームで支援地に赴き、建築活動を通じて現地の住居問題の解消に寄与する一方、現地の家族(ホームオーナー)やコミュニティの人々、大工さんとの交流を通じ通じて異文化に触れることができるボランティアプログラムです。様々な気づきや成長をもたらすGVは、参加者にとっていくつもの意味を持つ一方、ホームオーナーとなる家族にとって、またそのコミュニティにとって、海を越えて建築活動に参加するボランティアの存在はどのような意味をもつのでしょうか。
Eco-Habitatチームの代表を務めた竹内さんが、自身のGVから見えた「ホームオーナーにとってのボランティアとは」を寄稿してくれました。こちらをご覧ください。
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「ホームオーナーさんにとっての私たちボランティアとは」
私がホームオーナーさんとなる家族との活動そして彼らへのインタビューを通して出した答えは、私たちボランティアは“付加価値もたらす存在”であるということです。どの家族もみな、安心して暮らせる住まいが欲しくてハビタットに支援の申請を行い、支援が決定したことで私たちのようなGVチームがホームオーナーとなる家族のもとに派遣されます。どの国のどの家族も、ハビタットにコンタクトを取るのは“家”が必要であり、この一連のプロセスに大きな違いはないと思います。つまりハビタットとコンタクトをとる理由に“私たち”ボランティアの存在は含まれていません。そのため、ホームオーナーとなる家族からしてみれば、家を建てるのを手伝ってくれるのであれば日本じゃなくともGVチームであれば良いかと思います。これは今回のGVで出会うことになったネパールの家族にも言えることで、きっとはじめは私たちのチームでなくても家が建てられればよかったと思います。
けれども、ホームオーナーとなる家族と毎日共に活動するなかで、たくさんの交流を持ち、次第に心を通わせてくことができました。そして、ワーク中をはじめ休憩中にも、みんなの笑顔が増えていきました。そしてご家族へのインタビューを通じて、私たちのチームと一緒にワークができて幸せだ、言葉は通じないけれどもっともっとたくさん話がしたい、そう力強く思いを話してくださいました。私たちチームは、ホームオーナーとなるご家族とたくさん関われていることをずっと嬉しく思っていたので、インタビューで気持ちを知ることができた時は、交流を嬉しいと思っていたのは私たちだけの一方通行ではなかったことに気づくことができました。そして、私たちは家を建てることとは別の価値をホームオーナーとなる家族にもたらすことができたように感じました。
冒頭でも述べたように、ホームオーナーとなる家族にとっては、 “家を建てる”という本来の目的を達成する価値は同等にあれど、その価値を実現するのは私たちのチームでなくてもよかったはずです。しかし一緒に活動する中で私たちのチームでよかったと思ってもらえるような付加価値を出会ったホームオーナーさんに持ってもらえることができました。この付加価値は、ホームオーナーさんにとって活動が楽しいものになること、笑顔が増えること、楽しい思い出ができること、それによって家を大切にしようと思ってもらえること、外国人の学生と関わることで世界が広がったり、将来の夢ができたり、夢にもむかって頑張ろうと思えたりすること、またホームオーナーさんも私たちもワークを頑張ろうと思えること、それによって家がより早くきれいにできること、など限りはなく無限に広がっていくものだと気づくことができました。
家建築において私たちができることは本当に小さいですが、家建築以外にできることはたくさんあります。それが今回他のチームではなく私たちのチームがネパールへ行った意義であり、ホームオーナーさんにとっての付加価値であったのではないかと、そうであってほしいと思います。
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GVを通じて出会う人々の共通目標は、目の前にいるホームオーナ―となる家族に安心して暮らせる住まいを建てること。しかし、その目標を達成する過程で、ボランティアをはじめホームオーナーとなる家族またコミュニティの人々に様々な付加価値が生まれるのがGVプログラムの魅力です。あなたもGVに参加してみませんか。GVプログラムの詳細はこちらよりご覧ください。