9月3日、カンボジアでの建築活動を終えた「Japan Hope Builders」チームが無事に日本に帰国しました。H.I.S.との共同企画「カンボジアの家族と家を建てよう8日間」 に今回参加したのは16歳から40歳までの学生と社会人の皆さん。それぞれ個人で申込み、現地ではじめて全員が顔をあわせましたが、毎日の建築作業と交流を通じてチームワークが育まれ、充実した活動を行うことができました。
今回活動を行ったのはカンボジア第二の都市バッタンバン。アンコールワットで知られる古都シェムリアップから、車で3時間ほどのところに位置しています。ここで暮らす貧しい家族の多くが、公共の土地を不法に占拠してしまっている状態です。ハビタット・カンボジアは、地元の行政や世界銀行と協力して、公有地の区画整理を進め宅地造成を行うと共に、不法占拠解消に応じた家族には土地所有権が取得できるようサポートするプロジェクトに取り組んでいます。
今回、建築の支援を行ったのも、そうした場所に暮らすご家族でした。
South Yoeumtholさん(55歳)は、建築現場で働く労働者です。奥さんも野菜を売るなどして少しの収入を得ていますが、二人あわせても収入は日に600-700円ほど。それでも家を建てるために少しずつ貯金をしてきました。しかし、娘さんが通う大学の授業料も支払わねばならず、新しい家をたてるなど到底実現できない遠い夢に思えました。ハビタットの支援を通じて2014年1月に自分の土地を確保し、ようやく家を建てられることになったYoeumtholさんは、日本からボランティアがやって来るのをとても楽しみにしていました。
家の建築は、土台を作るところからスタート。地面の穴掘り、セメント作りと作業初日から力仕事が続きます。8月のカンボジアは雨季で、気温が高く雨が降りやすい季節です。2日目からは雨が続き、作業が中断することもありました。そうした中でもボランティア・チームは、汗をかきながら力を合わせてセメントを運び、レンガを積んで、黙々と作業を続けました。ホームパートナーのYoeumtholさんも作業に毎日積極的に加わりました。3日間の作業で床が完成し、壁も1面が途中まで仕上がりました。
バッタンバンでの最終日は、家の贈呈式とお別れパーティーです。僧侶が祈りをささげ、Yoeumtholさんの新居を祝福します。カンボジアの音楽でみんなでダンスもしました。現地の風習を知る良い機会にりました。そして、チームが企画した出し物も披露され、ジェスチャゲームやカンボジア語での伝言ゲームなどで大盛り上がり。最後の交流を最大限に楽しみました。
Yoeumtholさんは、「貧しくて自分だけの力では家を建てることができなかったので、こうして皆さんと一緒に家を建てられてとても感謝している。皆さんの笑顔にとても感動しました。いつかここで美容院をひらきたい。ありがとうございました」と話してくれました。
◇◆参加者感想◆◇
「1日1日の内容が濃くてとても良かった」(学生・女性)
「期待以上のプログラムでした。現地のご家族の方やハビタットのスタッフの方と関わることができて良かったです」(社会人・女性)
「建築の良い経験になった。一人での参加だったが皆優しく、安心して活動できた」(学生・男性)
「参加前と後で、カンボジアのイメージが大きく変わった。都市と地方の格差、今後の発展への期待感を感じた」(社会人・男性)
「参加前はカンボジア人は笑顔が少ないと思っていたが、カンボジア人はいつも笑顔で逆に日本人を笑顔にしてくれてた」(学生・女性)
ボランティアと家族が一緒に汗をかき、たくさんの笑顔が生まれた8日間でした。次回の開催は、2015年春を予定しています!