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【フィリピン第2報】 衛生施設の設置と住居再建に向けた調査の開始

2009年9月26日、台風16号「ケッツァーナ(Ketsana)」が時速100kmでフィリピン諸島を横断、首都マニラの80%が浸水する「国家自然災害事態」(同日宣言)となりました。これに加え、10月3日には台風17号「パルマ(Parma)」が、28日には台風21号「ミリネ(Mirinae)」がフィリピンを襲い、1ヵ月という間に死者・行方不明者約2,000人、被災者約1,000万人とも言われる甚大な被害をもたらしました。住居被害も50万軒に上ると報告されています。
 



 
ハビタットは、被災後直ちに支援を開始しました。緊急フェーズでは、家を失ったあるいは家に帰れない被災者のための避難センターを拠点とし、フィリピン赤十字社とともに衛生支援を行ってきました。すでに18の避難センターでトイレ170基、簡易風呂56基を設置、今後さらにこれとほぼ同数を設置していく予定です。
 

 
同時に、少しずつ支援の焦点を住居・生活再建へ移行させています。現在、被害が比較的軽い、あるいは被害は大きいがひとまずは補修で対応しようとしている世帯に対して、角材を含む住居修繕キット(1セット13,000円相当)の提供を行っています。全部で10,000世帯への配布を計画しており、これまでに(12月中旬現在)、マニラの中心部マリキナ市、ケソン市、パシグやパンガシナン地域において1,800キットの配布を終えました。
 
修繕キットについては、現地で住居支援を行う他の国際機関やNGOの間でも共通モデルとして活用されています。また現在、簡易シェルターの構造やデザインについても各方面に対して提言を行っており、現地の住居支援をリードしています。
 



 
被災から約3ヵ月が過ぎ、全体的には支援の流れも復旧・復興段階へ移ってきているように見えます。しかし、今回の水害による被害はこれまでとは異なり、被災から3ヵ月が経過しているにもかかわらず、いまだに水の引かない地域が少なくありません。また、相次ぐ被災によって土壌が弱まり、土砂崩れによって生き埋めになる悲惨な事故も多発しています。
 

 
今後は、将来の水害に対してより安全性の高い場所に2,000軒の簡易シェルター(1軒につき約7.5万円)を建築していき、その後、4,000軒の住居建築(右図参照)へと発展させていくことを計画しています。
  
そのため、ハビタット・フィリピンでは、パンガシナンやラグナ地域、ケソン市など、1,000世帯を超す住居被害の報告される地域が多数ある中で、どこで支援を行うべきか、ニーズや実施の可能性を総合考慮しながら調査・検討を進めています。
 
 
◆バックナンバー
【緊急】 「フィリピン台風水害」被災者支援を開始

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