支援募金受付中!
 
srilanka_elephant_20110502.jpgコロンボから東へ向かうこと7時間。スリランカの東部沿岸部にバティカロア県があります。現在、水害被災者への支援を行っているマンムナイ西区カタパンカーニー村では、斜めに傾いた大木が被害の大きさを物語っています。
 
ある日、ホームオーナー家族に被災状況やその後の暮らしについて聞き取りをしていた時のことです。現地スタッフのプシュパ(Pushpa)さんが一言、「この辺は、ゾウの被害もあるんだよ。」
 
なんとこの辺りでは、野生のゾウが水田の米のあまーい匂いに惹かれて頻繁に出没。その度に家屋を踏み潰していくこともあり、深刻な問題になっているとのこと。日本人にとっては動物園でしか見ることがなく、野生のゾウを見られる絶好のチャンス!と期待していたものの、現地では必ずしもよい存在としてばかり捉えられているわけではありません。
 
また、紛争帰還民の再定住支援を行っている北部マナー県での出来事。北部では2009年に内戦が終結したばかりということもあって、スリランカ政府軍が地域一帯を管理。行く先々で物々しい兵隊たちの存在やチェックポイントがあります。日本でも警察官やパトカーを前にするとなぜか緊張してしまうように、迷彩服が現れるとなんとなく体を強張らせてしまいます。
 
しかし!そんな中でもマイペースに眼前を横切る勇敢で美しい姿が。「鳥のようだけど、あれは何だろう」と目を凝らしてみると、なんと孔雀です。野生の孔雀がその長く麗しい尾羽を揺らしながら我が物顔で道路を行き来していました。この他に、牛、ヤギ、ロバ、サルやイタチなど、多種多様な動物たちを見ましたが、軍のチェックポイントでいちいち拘束されることもなく、縦横無尽の生きる様にはうらやましささえ感じました。
  
そんなマナー県からコロンボに戻る道すがら、ドライバーが突然車を止めました。「ゾウがいるよ。」
茂みの木陰に目をやると、あちこちにポッコリ飛び出した大きな背中が。念願のゾウを見ることができて、スリランカでの生活がさらに楽しみになりました。