ハビタット・ジャパンの学生支部として活動するキャンパスチャプターは、昨年の秋から国内居住支援(PHW:Project HomeWorks)で支援が決定した都内在住のホームパートナー佐藤さん(仮名)宅の住環境改善に取り組んでいます。長年にわたり本や雑誌を集めたことで、窓が塞がるほどの状態にあり、体を休めるにはこうした物の上に布団を広げて寝床とするほかありませんでした。この状態を改善すべく、キャンパスチャプターが中心となりボランティアを募り、佐藤さん宅の清掃支援を昨年の11月から開始。これまでに延べ10回以上佐藤さん宅を訪問し、安心・安全に過ごせる住まいを取り戻せるよう清掃支援を続けています。

1月11日、佐藤さん宅で今年初の清掃支援にキャンパスチャプターの学生が取り組みました。今回の活動では、大学1年生の新井さんが当日の活動チームのリーダーを務めました。その新井さんに、ボランティア活動をはじめPHWに参加する思いを伺いました。

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ボランティア活動をはじめたきっかけはなんですか?
→高校に入った頃は人見知りが強くて、人見知りを克服したくて近所にある製糸場の観光ガイドボランティアを始めました。それがボランティアの始まりです。始めたころは「自分のため」のボランティアだったのですが、次第にガイドとしてどう伝えたら相手が喜んでくれるか考えるようになり、活動が楽しくなり、高校3年間この活動を続けてきました。

(そう話す新井さんですが、今ではボランティアチームのリーダーを務めるまでに。人見知りなんて感じさせないほどに克服されたようでした。)

 

大学でハビタットの活動に参加した動機はなんですか?
→ボランティアの楽しさを知ることができたので、観光ガイドにとらわれず何らかボランティアを継続したいと思いました。大学に入学し、ボランティアサークルに入ろうと決め出会ったのがハビタットのキャンパスチャプターでした。入学した先の大学にはこの一つしか学生ボランティア団体がなかったのですが、ハビタットの活動に参加できたのは運がよかったです。僕は家がとても好きなんです。大家族で暮らしていて、いつも家に誰かがいて、居心地が良かったのが僕の家です。だから、住まいに関連するボランティアができて嬉しいです。

(家が大好き!そう話す新井さんの笑顔はすごく幸せそうで、家族が集う家が彼を成長させた基盤だったということが言葉から、表情から窺い知ることができました。素敵な家、家族ですね。)

 

国内居住支援(PHW)の現場にボランティアとして参加することで得た学びはありますか?
グローバル・ビレッジ・プログラム(GV:Global Village Program)を通じて昨年の夏にカンボジアの建築支援にボランティアとして参加しました。カンボジアでは目に見える住まいの貧困に直面しましたが、PHWに参加したことで、目に見えないけれど、一歩家の中に入ると困っている人が身近にいることを知りました。家を建てる支援以外にも、こうした問題を抱える方の住まいの問題に取り組むことができていると感じています。

 

佐藤さん宅の支援に入るのは5回目と伺いましたが、新井さんが継続的に活動に参加される思い教えてください
→PHWの活動はGVとは違い、家が建つほどの劇的な変化はありませんし、一度の活動では終えられないケースも多いことから、学生の参加は多くないと思います。でも、自分は家が大好きだし、佐藤さんを継続支援することで、自分の目で佐藤さんが安心・安全に暮らしていける、と言えるようなゴールにたどり着ければ、新しい発見があるんじゃないかと思い続けています。まずは佐藤さん宅の住環境改善が目指すところです!

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国内居住支援の現場は、居室内の片付けをはじめ、改善された居室の状態を維持する、またそのために必要な福祉サービスにつないでいくなど、ゴールの設定は臨機応変でさまざまです。まずは居室内の状態が安心・安全といえるように改善していく一歩も一つのゴールです。そのためには、新井さんのようなボランティアの参加は欠かせません。家族が集まる、安心して過ごせる、そんな温かい住まいが必要だ、その思いを声に出し、活動をサポートしてくれる新井さんをはじめとするボランティアがいるからこそ、今もPHWによる支援を続けることができています。

一人でも多くの方に安心・安全に暮らせる住まいが実現できるよう、今年もボランティアの皆さんをはじめ、関連団体の方々や活動を資金的に支えてくださる個人や企業・団体の皆さんと手を取りあい活動して参ります。PHWの活動にボランティアとして参加を希望される方はハビタット・ジャパン事務局までご連絡ください。