東京大学にてハビタットの活動に取り組むUT Habitatが、5月3日(土)?5日(月・祝)の3日間、能登震災にて被災した土蔵の土落としや土間の三和土づくりに参加しました。
 
土蔵は輪島塗の作業所や酒造工場として使われているところも多く、まちづくりの観点からみても貴重な財産です。ハビタット・フォー・ヒューマニティ・ジャパンは、2007年5月と8月にも土蔵修復支援活動をしています。(昨年の様子はコチラ
 
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UT Habitat 白取さんからの活動報告
 
ゴールデンウィークの5月3日から5日の3日間、石川県輪島市で実施された土蔵解体修復活動に参加してきた。実はこれが昨年に続いて2回目の参加である。
 
2007年3月の能登半島地震で、輪島の伝統的建築物である土蔵は大きなダメージを受けた。行政はその撤去に補助を出したということで、500以上の土蔵が既に輪島から消えたと聞く。 この動きを受けて、地元有志によるNPO、輪島土蔵文化研究会は地道ながらも土蔵を残す運動を始めた。私達が参加してきたのは、そのプロジェクトの一部である。 (輪島土蔵文化研究会の活動について
  
作業は、実はそこそこキツイ。しかし、江戸時代の土壁をハンマーで落としていくのは快感である。わらを混ぜた土の感触は独特だ。そして、このプロジェクトは日本の伝統文化について考えるよいきっかけになった。放っておけばどんどん消えていってしまうものがある。消すのは簡単だけれど、残すのはものすごく大変である。土蔵の土の重さが、伝統の重みに思えた。
 
地元の人達とお話して一緒にお酒を飲む機会もあり、土蔵文化、漆器文化の担い手達を垣間見ることができた。漆器を販売する塗師屋さん、漆塗りの職人さん、若き研修生、土蔵のオーナーさん、輪島で暮らす人達。
 
解体修復作業の感覚や土ぼこりを思い出しながら、自分も日本の伝統文化保存のわずかな一端を担えたことにちょっとした感慨を覚えている。
  
白取耕一郎(UT Habitat)
 
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