ハビタット・ジャパンの新理事長として、皆様にご挨拶申し上げます。ハビタットの理念である「誰もがきちんとした場所で暮らせる世界」の実現に向け、ご協力くださる支援者、パートナー そしてボランティアの皆様に心より御礼申し上げます。この度、ハビタット・ジャパンの理事長として、支援を必要とする国々や人々のために活動できることを光栄に思います。

私が初めてハビタットの活動に参加したのは2009年で、当時はボランティアとしてタイの貧しい農村を訪れました。出会ったご家族は3世代12人で1つの小さな部屋に住んでおり、トイレも台所も 無く、料理は外で薪を焚いて作られていました。私は現地で目の当たりにした貧困の現状に驚く一方、私たちを温かく迎え入れ ようとする真心に感激いたしました。日を追うごとに家が形作られ、次第に誰もが笑顔に。家が完成したときには、その場の誰もが感動で涙しました。ご家族に贈ったもの以上に、多くを与えていただいたと感じました。こうしたハビタットの活動に感銘を受け、その後もベトナム、中国、カンボジア、フィジー、インドネシア、スリランカでボランティアとして参加しました。

ハビタット・ジャパンは現在アジア太平洋地域において最多の ボランティア派遣数を誇り、2017年は建築活動に1,200人以上のボランティアを送ることができました。また昨年より、プロジェクトホームワークスを通じて、表立って見えない国内の貧困や ニーズに対応すべく、高齢の方や障がいをお持ちでお困りの方の住環境改善に取り組んでいます。私は15年間東京に暮らして おりますが、ハビタット・ジャパンが身近な問題に取り組んで いることを嬉しく思います。 私の故郷であるスウェーデンには「分け合えば喜びは二倍に、 悲しみは半分に」ということわざがあります。喜びの時も悲しみの時も、支援者、パートナーそしてボランティアの皆様と手を 取り合って、より明るい未来を築くため、そして持続可能なコミュニティを作るため、なお一層邁進してまいります。きちんと した家こそ、人々の生きる希望になると信じて。

セシリア・メリン
理事長
ハビタット・フォー・ヒューマニティ・ジャパン