ハワイはオアフ島のIolani学校は、幼稚園から高校まで併設されているワイキキビーチそばにある学校です。大きな卒業生ネットワークがあり、世代を超えた卒業生同士の交流が盛んです。毎年11月は、世界各地に住むIolani卒業生がそれぞれの地元コミュニティでボランティア活動に参加しているそうです。

ハビタット・ジャパンの行う国内居住支援プロジェクト(PHW:Project HomeWorks)では、主に高齢者や障がいのある方々の住まいのサポートを、清掃や簡単な修繕、見守り活動を通じて行っています。この支援は、多くのボランティアの力で成り立ち、特にニーズが集中しているのは清掃支援です。そこへ、1118日、日本に在住のIolani卒業生12名がProject HomeWorksにボランティアとして参加してくださいました。

おかげ様でこの日、5軒のお宅の年末に向けた大掃除のサポートの依頼に答えることができました。
Iolaniチームの皆さんは3つのグループに分かれ活動を行いました。


 そのうちの1軒、斉藤さん(仮名)のご自宅の活動を紹介いたします。斉藤さんは、路上生活経験のある80歳代後半の男性で、現在では生活保護を受けながらアパートの部屋でひとり暮らしをされています。部屋は1Kの間取りで、ロフトがついています。ロフトは倉庫として使用されており、布団や衣服、書籍などが置かれていますが、ご高齢の斉藤さんが荷物を持ってハシゴを上り下りするのはとても危険です。11月を迎え、冬用の布団をロフトから降ろしたいというご希望がはじまりで、ボランティアがお手伝いすることになりました。

 Iolaniチームのボランティア3名は、斉藤さんの元気な声で発せられる明快な指示を受けながら、ロフトから布団とその他の荷物をいったん下ろし、ロフトの床を掃除して、斉藤さんが以前から取っておいた絨毯の切れ端を敷きました。あっという間に布団を入れ替え、不要なものをゴミ袋につめることができました。

作業が終わると、斉藤さんはボランティア全員にコーヒーとお菓子を用意してくださり、楽しく談笑しながらほっと一息、休息することができました。

 後日斉藤さんから、その後の様子をお聞きすることができました。「せまいのにボランティアが3人もきてびっくりした!ロフトが綺麗になって、荷物の整理もできたから、最近ロフトで昼寝している。そのほうが暖かいから」と元気に笑顔で話してくださいました。

4軒の住まいでも、エアコンの掃除や片付け、庭の清掃をお手伝いしました。すべての作業を終えたあとには近隣のカフェに集まり、それぞれのグループから活動内容と感想を共有しました。そのあとはIolani卒業生同士の交流の時間となり、学生時代の思い出話やそれぞれの近況などを話しながら、和気あいあいとした雰囲気で過ごしていただきました。
Iolani卒業生の皆さん、お疲れ様でした!来年も、きっとボランティア参加してくださいね!

ハビタットは今後もボランティアとともに、地域に寄り添いながら、住まいを安心できる場所に改善する活動を進めていきます。この活動は都内、特に中野区・新宿区を中心に広がってきています。独居の高齢者の増加などを背景に、息の長い支援が求められています。

本活動の継続のため、皆様のあたたかいご支援を、よろしくお願いいたします。 

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