2006年12月10日、北西辺境州マンセラ県バラコートで5月から展開してきたパキスタン地震被災者支援事業((特活)ジャパン・プラットフォームによる助成)を終了しました。第1フェーズ(2006年5月2日?8月3日)、第2フェーズ(9月1日?12月10日)を合わせ、合計1,100家族(約6,000人)に対し支援を提供することができました。
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今回の支援は製材活動といって、丸太や材木を製材機というノコギリを高速回転させる特殊な機械 を使って裁断するものでした。斧やノコギリを使って木を切る作業は重労働ですし、製材すれば一本の丸太から何枚もの板を得られ効率的です。また、今回の地震では、家屋の梁やトタン屋根の重りとして丸太などを使っていたことが災いし、その下敷きとなって圧死した犠牲者が目立ちました。木材の裁断は、再び起こるかもしれない災害に向けた安全な住居スペースの建設にも役立ちます。また、被災地の森林伐採は深刻な問題ですが、木材を効率的に使うことで環境への配慮にもつながります。
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パキスタンでは昨年10月8日で地震から1年となりました。現在、被災地を囲むパキスタン北東部では厳しい冬を迎え、夜には氷点下まで気温が下がります。復興は少しずつ形になり出していますが、他方で、ボロボロのテントの中、毛布に包まって寒さを耐え忍ぶ被災者が存在することもまた事実です。復興はこれからがまさに本番です。
製材活動は、今後も現地ハビタット(Habitat for Humanity International in Pakistan)が継続していきます。国際社会の目はパキスタンから離れ、バラコートでも国際機関やNGOの姿はほとんど見られません。被災者が製材された木材を使って新たな住まいを築いていくのはこれからですが、ハビタット・ジャパンは現地ハビタットを通してパキスタンの復興を見守っていきます。皆さまからの温かいご支援、引き続きお待ちしております。 (現地プロジェクトコーディネーター・山本真太郎)