2006年2月10日、アオバインターナショナルスクールの生徒会は小学部と中学部、そして保護者を招き、去年の夏にアメリカ南部を襲ったハリケーン「カトリナ」の被災者復興支援キャンペーンのオープニングイベントを開催した。当日、ハビタット・フォー・ヒューマニティ(以下HFH)を代表して日本支部(以下HFHJ)の事務局長、塚本俊也さんと他スタッフ2名がHFHの活動や災害支援プログラム「オペレーション・ホーム・デリバリー」の説明に赴いた。
HFHはボランティアと共に建築活動を行うため、誰にでも援助を必要とする人々のため何かしら出来ることがある、と信じている。そこで生徒達には「必要なのはクリエイティブに自分なりの方法を模索してやってみる努力が必要」と話し行動に移すことの大切さを訴えた。生徒会の代表達は代わる代わるステージに立ち、リサイクルできる家庭の「ゴミ」を持ち寄って作った家の模型など、いろいろなクラスプロジェクトを説明しながら、より多くの生徒に参加を呼びかけていた。また、それぞれの教室にはハビタットの家型貯金箱が配られていて、生徒たちはお昼ご飯やおやつを買ったお釣りを募金するように教えられている。このキャンペーンのゴールは、4月に行われる学校祭「スプリングフェスティバル」までに300万円集めることだが、このオープニングイベント前、すでに心あるサポーターによって100万円の寄付があった。学校や保護者が一丸となって生徒達の思いを支えている様子を見て、無事キャンペーンの成功と終わりを迎えた生徒会のメンバー達が、笑顔で喜んでいる姿が目に浮かぶようだった。
 ステージの上には、もう一つ目を引くものが置かれていた。それは先生達が協力して作り上げた2メートル以上もある木製の家型である。塚本氏がその中にかがみこんで一人の人間が家族と一緒に住むための家には壁や屋根、窓もいる様子を伝えるあいだ、小学部の子ども達は思わず笑ったり目を輝かせたりしてその話に聞き入っていた。私には、その生徒達がハリケーンが街中の建物をなぎ倒して見る限り平らな大地の写真と、自分達の幸せな家庭のイメージをくらべているように思えた。また、そのあとの中学部の生徒達に対して、日本からは遠く離れた途上国で実際にあったことを話すことで、自分達には何ができるかを考えるように導いた。彼らは、自分達の目の前に置かれた家型を静かに見据え、その意味を噛みしめているようだった。なお、この家型は募金額が目標に近づくにつれ、幼稚部の生徒達によってレンガや窓の描かれた紙やシートで徐々に家の完成に近づけられる。
 ここで集められた寄付金はHFHJを通じてアメリカに送られ、「オペレーション・ホーム・デリバリー」として被災者の復興支援に当てられる。このプロジェクトの概要はこちらhttp://www.habitat.org/disaster/2005/katrina/default.aspx をご覧下さい。
Aoba Japan International School: http://www.a-jis.com
Habitat for Humanity International: http://www.habitat.org