ハビタット・ジャパンで海外建築ボランティア「グローバル・ビレッジ・プログラム(GVプログラム: Global Village Program)」を担当する稲垣です。
私は今、タイの首都、バンコクから北に40キロほどの場所に位置するパットゥンタニ県に来ています。今回タイを訪れたのは、ハビタット・タイが取り組む住居建築支援を立命館守山高校のみなさんとお手伝いするためです。


立命館守山高校では、高校2年次に「国際人」を育成する実践的な教育プログラムの一環として、海外研修を実施しています。そのプログラムの一つとして、2012年よりGVプログラムに参加。タイの支援地に毎年ボランティアチームを派遣しています。


この春のチームには総勢26名が参加。彼らの活動は、タイではなく日本からスタートしています。チームに引率する2名の先生の指導のもとタイの文化や言葉、貧困問題について学んだり、タイ料理を体験したり、グループごとに活動目標を立てたりと、数ヶ月に及ぶ事前学習とチームビルディングに取り組みました。

そして、チームがタイへと出発。3月2日、ついにチームは、家を共に建てるホームパートナー家族と対面。チームが建築をお手伝いするのは、ラチャノック一家。家族4人で古い、小さな一軒家に暮らしています。家の床には木が貼られていますが、雨が降るとしなり、時に悪臭を放つときも。寝室もなく、トイレはトタン板で覆われた状態。家族の健康を考えると、衛生的に暮らせる住環境を必要としていました。しかしながら、一家の収入では、新居を手にするほど十分な貯金を蓄えることができずにいました。その中、ハビタットの支援を知り、支援を受けることに。ラチャノック一家の思いを知り、より一層活動への思いを強く抱いたチームの建築活動がスタートしました。

日本からの移動の疲れもなんのその。明るい顔で始まった作業。総勢26名は、5-6名でチームを組み、各チームにリーダーを立てて作業に挑みます。とはいえ、何もかもが初めての作業。なかなか思うようには作業が進みません。各リーダーたちは、作業の指示を受けると、どうしたら効率良く進められるか、しっかりリーダー間で話し合ってから、メンバーに指示を伝達。早速チームワークが発揮されていました。

午前中は効率を考え、さらに午後は丁寧さと地元の人たちとの信頼関係を作ることも大切にしながら、初日の工程である家の土台を作る作業に取り組みました。そして、一日の終わり、予定していた作業を無事終えることができました。

寒さの厳しい日本から、30度を超える炎天下の中での作業。気温差を克服し、暑さに負けず、お互いに声をかけながら元気に活動した学生の皆さん、明日も引き続き、笑顔で活動してくれることでしょう!!私も高校生の皆さんがGVを通じて、様々な気づきを築けるよう活動をサポートしていきたいと思います。