ネパールで開始するHuMAT支援。第5報で紹介した「命を守る」機能(被災住宅の危険度診断)と併せて、以下のような役割も果たします。

○一日も早い生活再建のためのコンサルテーション

ネパール政府が被災者のために実施する公的支援(生活再建支援金や住宅ローン等)の制度について、ハビタットで事前に情報等を集め、それを被災者の方々に提供したり、その制度等に申請する上で知っておくべきポイントなどを助言したりします。さらに、危険度診断によって家屋に問題が見つかった際、それが簡単な補修等で直せるのであれば、そのために適した直し方や必要となる工具の種類などについて指導します。これらのアドバイスを通じて、被災者の方々の一日も早い生活再建を財政面、技術面から後押ししていきたいと考えています。

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○キット配布の効果を高めるニーズアセスメント

ハビタットでは、現在、組織全体として Temporary Shelter Kit (TSK) の配布を行っていますが、今後、住宅の建築も開始していきます。HuMAT が被災した家々を回ることで、それぞれの家族が、あるいは地域全体として、どのような支援であれば、それぞれの住環境を少しでも改善できるか詳細に把握することができ、その情報を基により的確な支援を提供することができます。ちなみに、現在配布を進めているTSK ですが、これでは損傷した箇所を直すことはできないので、今回、HuMAT 支援の開始に伴い、ハビタット全体でも新たに Home Repair Kit をつくって、簡単な補修や耐震補強等に役立つ資材や工具を配布していくことも検討しています。

○支援の結果を生かしてもらうためのアドボカシー

HuMAT支援では、今回、15,000を超える多くの世帯を巡回することから、被災者やその家屋に関する大量のデータを集めることができます。それを基に、住宅タイプ別の被害の傾向や補修・再建に関して住民が注意すべきポイント等をまとめ、ネパール政府や援助機関、他のNGO等とも共有して、復興計画や中長期の支援計画をつくる際の参考として役立ててもらいたいと考えています。

◆ バックナンバー

2015.06.08【ネパール地震 第5報】HuMAT支援を開始しました
2015.05.27【ネパール地震 第4報】シェルターキット配布開始
2015.05.03【ネパール地震 第3報】シェルターキットの配布へ
2015.05.01【ネパール地震 第2報】被災者支援のため調整を進めています
2015.04.25【ネパール地震 第1報】現地調査を開始、寄付を受け付けています