ハビタット・ジャパンは、ネパール地震被災者支援の一環として、被災した住宅の危険度診断を開始します。

Damaged house.JPG現地では、4月25日の大地震のトラウマのためや、その後の余震に怯え、いまだに屋外で生活する被災者が大勢います。また、雨季の到来を前に、危険な状態にある自宅に住み続ける被災者や瓦礫等を再利用して急場の自宅確保を行う被災者も少なくありません。

この支援活動では、国家資格を持つ現地の建築士ら2人1組で構成するモバイルチーム(Habitat for Humanity Mobile Assessment Team: HuMAT)を数十チーム編成し、被災した家屋1軒1軒を訪問して回り、内外壁や基礎のクラックの大きさ・場所・態様、支柱の歪みや角度などを調べて、家屋が受けた構造被害や今後予想される構造欠陥の可能性を指摘します。これによって、今後も起こると予想される大きな余震や、雨季において長期間雨に晒された末、建材が劣化することで起こる建物倒壊などの被害を防止することを期待しています。この結果、理論値ではありますが、150人以上の命がさらに失われずに済む状況をつくることができると見込んでいます。

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HuMAT支援は、深刻な地震被害を受けたラムジュン郡、カブレパランチョック郡、ドラカ郡の3つの地方都市で実施し、8月末までに計15,000世帯以上への支援を目指します。

本来、そこに暮らす人々を守るべき家が、地震で崩れて人々の生活や命を奪ってしまった現実を直視しながら、一人でも多くの命が救えるよう支援活動を進めていきます。

なお、HuMAT支援は、家屋の危険度を診断するほかにも、いくつかの機能を併せ持っています。それらについては、次号で説明を行います。

※ 写真は、パキスタン大地震被災者支援活動(2006年)の際のモバイルチーム


◆ バックナンバー

2015.05.27【ネパール地震 第4報】シェルターキット配布開始

2015.05.03【ネパール地震 第3報】シェルターキットの配布へ

2015.05.01【ネパール地震 第2報】被災者支援のため調整を進めています

2015.04.25【ネパール地震 第1報】現地調査を開始、寄付を受け付けています