20130906ritsmori.jpg昨年に引き続き、今夏も滋賀県守山市にある立命館守山高校の3年生24名(教員2名)が、タイのバンコク郊外に位置するパットゥンタニ県(Pathiumthani)で2度目となる海外建築ボランティア活動(Global Village program:GV)に参加しました。
 
立命館守山高校では、「国際人」を育成する実践的な教育プログラムとして、高校3年生全員が参加する海外研修を実施。そのプログラムのひとつとして日本の高等学校で唯一、高校生チームを毎年ハビタットのGV活動へ送り出しています。
 
教育プログラムの一環として、タイの文化や、格差、貧困問題などを学ぶ事前学習を行うだけでなく、活動期間中は日中の建築作業に加えて毎晩ミーティングを行い、その日に感じた事や作業の進め方など真剣に議論を交わします。また、昨年には、GVの事後活動としてJICA国際グローバル教育コンクールや、JICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテストに応募。グローバル教育コンクールでは、森泉菜々さんの作品が「佳作」(タイトル『‐海を渡った贈り物‐ 私の国際貢献 in バンコク』)に選ばれた他、全体としては「団体奨励賞」を受賞。一方、エッセイコンテストでは、中塚慶さんの作品が「関西国際センター所長賞」(タイトル『タイでの国際協力を通じて』)に入選しました。昨年参加した先輩たちの話を聞いて、今年の参加を決めた生徒も多かったそうです。
 
20130906ritsmori (2).jpg今回、立命館守山高校チームが支援したのは、母親の家で娘2人と共に暮らすマム(Mam)さんの家。床が低く、毎年雨期になると床下浸水するというマムさんの母親の家は、一つの部屋にタンスなどで仕切りを作り、8人が同居していました。今回、マムさんはハビタットの支援で初めて自分たち家族の家を持つことになります。
 
作業は家の土台やセメントを作るところからスタート。慣れないながらも声を掛け合い、地元の人たちやハビタットのスタッフと共に家の建築に励みます。体感気温は日本と大きく変わらないものの、湿気が少なく、過ごしやすく感じたパットゥンタニですが、活動中は全員汗だくで泥だらけ。砂やセメントのバケツリレーは想像以上の重労働でしたが、チームワークを生かしてテキパキと作業を進めていきます。床の次はブロックの積上げ作業。繊細さが要求されるため、皆スタッフの指示を聞きながら真剣な面持ちで取り組んでいました。
 
20130906ritsmori (3).jpgそして最終日、生徒たちが約7日間の建築活動を通じて築いた家をホームオーナー家族に引き渡しました。マムさんは「みんなはもう私達の家族です。みんなが積み上げてくれた壁のブロックひとつひとつにみんなの想いが残っています。ずっと一緒です」と涙ぐみながら想いを語ってくれました。
 
今回チームは、家の建築を通じて汗を流し、マムさん一家の幸せへの一歩を共に築きました。同時に、生徒たちは自ら汗を流し人の為に働く事や、仲間と力を合わせて目標に向かって励む喜びを知り、その大切さを学びました。それら学んだ事はいずれも、これからの未来を築くリーダーとして役立つ力になることが期待できます。
 
参加した生徒からのコメント:
私たちはホームオーナーさんたちと一緒にGV活動をすることで、言葉の壁を越えた絆を結ぶことができました。また、ホームオーナーさんの夢でもある家を自分たちの手で作ることで、私たち高校生でも誰かの夢のお手伝いができることを知り、大きな自信を持つことができました。これからこの経験を活かして、それぞれが様々な形で世界に貢献していきたいです。
 
 
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