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20130321(8).jpg日に日に暑さが増す事業地ピッサヌローク県では、2011年の水害で被災した住宅の修繕を急ピッチで進めており、3月中旬、30世帯で作業を完了しました(右写真:修繕作業の進む家屋)。
  
現地では、建築専門のスタッフが各世帯を調査に回り、被災箇所と被害程度を確認。被災箇所は多岐にわたるため、ホームオーナー家族に聞取りを行いながら、土台基礎、床、壁、台所、トイレ、階段等それぞれの状況に合わせて修繕箇所を決定していきます。
   
洪水が速いスピードで通り過ぎていく他県と違い、ピサヌローク県はそのお椀型の地形から水が滞留しやすく、高床を支える土台の木柱や壁に使用している金属板シートが洪水時に長期間水に浸かって腐ったり脆くなったりしている世帯が圧倒的に多い状況です。乾季には、こうしてできた穴や隙間を通して、舗装されていない村道から巻き上がるほこりが大量に室内に舞い込み、雨期には雨が降り込んで床が水浸しとなるなど家の中が不衛生な状態になってしまうと言います。さらに洪水の時期には、水を避けようとニシキヘビやコブラ、サソリ、ムカデなどの害獣・害虫が頻繁に侵入。また、強風で構造が脆くなった家全体が揺さぶられ、いつ崩壊するかと毎日不安で仕方がなかったというホームオーナーもいました。
  
今回の修繕では、これらの部分をただ新しくするのではなく、より丈夫で水にも強いコンクリートの柱や、軽くて頑丈なスマートボード(軽量セメントボード)、コンクリートブロックなどを用いることで住居自体の強度や安全性の向上を図っています。また、毎年発生する洪水の期間地上にあるトイレが使用不可能になってしまうという訴えが多かったことから、被災したトイレの修繕を行う際には、高床式住居の高さに合わせてトイレ自体のリフトアップを行ったり、劣化した金属板シートの壁を取り換える際に、鍵付きのドアや窓も取り付けるなど、将来的な減災や住まいの安全性・住環境改善にも配慮しています。
  
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(上写真)修復前、(下写真)修復後
  
支援を受けて壁を修繕したブンソン(Boongsong)さんは「以前はぼろぼろになった壁から入ってくるほこりと家にこもる熱気で息が詰まり、家族もよく体調を崩していました。それにこのエリアは警察署から遠いにもかかわらず、家にはドアや窓もなく、壁にも大きな穴が開いていて、心配で夜もよく眠れませんでした。でも、修繕で壁がしっかりしたものになり、鍵付のドアもできて泥棒の心配もなくなりました。それに窓ができたことで空気が通るようになり、快適になりました。そのせいか、家族も家でくつろげるようになり、より親密になった気がします」と、安らいだ笑顔を見せてくれました。
  
  
◆支援状況/現地リポート
2013.01.17 【第3報】ホームオーナーストーリー:洪水に強い家を夢見て
2012.12.31 【第2報】水害支援、ホームオーナーの選定開始
2012.11.01 【第1報】タイで洪水被災者の住宅修繕支援を開始!