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srilankanorth3120130311(1).JPG2月末、サンナール村でトイレの設置作業が完了。ジャングルの木々と古びたシェルターがぽつぽつ点在していただけのこの村に、多数の新しいトイレが出現し、その鮮やかな水色が村全体を明るくしています。世界保健機関(WHO)は、衛生的なトイレを使用できていない人は世界に26億人おり、そのうち12億人は野外で用を足しているという試算を発表しています。「野外トイレ」を使うことは、毒蛇やサソリなどの害虫に噛まれたり、人から恥辱的な言葉を浴びせられたりするきっかけとなることもあり、とても安全で衛生的とは言えません。ハビタットは、世帯ごとのトイレが一つもなく、茂みでし尿処理を行うことが日常であったサンナール村の人々の状況が、新しくトイレを手に入れたことでどう改善したかについてインタビュー調査を行っています。
  
srilankanorth3120130311(2).jpgジャヤンティ(Jayanti)さんと10歳の娘ビグネースワリー(Vigneswary)さん
「年頃になる娘がいるので、このまま茂みで用を足させてはいけないと思っていました。ハビタットは、行政と繰り返しやり取りして未解決であった土地問題に取り組み、トイレ設置をちゃんと達成してくれました。村人全員で心から感謝しています。」(右写真)
  
サンナール村を担当する保健衛生普及員クルーズ(Croos)さん
「この村の人々は、雑木林や家の庭先をトイレ代わりに使っていました。その結果、毎年大雨に降られると、汚物が流れ出て井戸の水を汚染することもありました。汚染された水を人間が体内に取り入れると下痢や発熱の原因になり、大変危険です。トイレができたことで、村人の健康・衛生改善が期待できますね。」
   
srilankanorth3120130311(4).JPGWRDS(女性住民組織)メンバーの一人ワサンダメリー(Vasanthamary)さん
「トイレに行くにも数十メートル先の茂みまで歩いて行く必要があり、人目をいつも気にしなければなりませんでした。今では敷地内にトイレがあり、夜でも安心。トイレがないことから感じていたストレスもなくなりました。」(左写真左)
  
また、村の一部には政府軍の基地がいまだに存在しており、兵士たちが人々の家の周辺を巡回したり、村道で軍事訓練を突然行うことも。特に女性にとっては、こうした状況下でトイレのために茂みを利用することが脅威であるだけでなく、実際にトイレを巡って村人と兵士の間でトラブルが起こったこともあったそうです。調査では、トイレ設置によって人々の衛生環境が改善するばかりでなく、人々の安全や尊厳を保証する意味でも大きな意義があることが伺えました。再定住を始めて2年経った今ようやく手に入ったトイレの活躍に、今後も大きく期待できそうです。
  
  
◆支援状況/現地リポート
2013.03.08 【北部 第30報】花いっぱいの村へ!フラワープロジェクト始動
2013.02.08 【北部 第29報】国連(ReliefWeb)にて支援活動を紹介
2013.01.06 【北部 第28報】子ども向け衛生トレーニングでせっけん手洗いを学習
2012.12.22 【北部 第27報】水が湧き出た!紛争後、待望の井戸完成へ
2012.11.16 【北部 第26報】サイクロンにも負けず!トイレ設置が本格化
2012.10.24 【北部 第25報】サンナール村で衛生トレーニング開始
2012.10.05 【北部 第24報】新型トイレの建設開始!衛生トレーニングも計画
2012.10.03 【北部 第23報】DOORS OF HOPE:100軒完成を迎えて(3)
2012.09.17 【北部 第22報】DOORS OF HOPE:100軒完成を迎えて(2)
2012.08.21 【北部 第21報】紛争帰還民コミュニティで井戸・トイレ支援を開始
2012.07.31 【北部 第20報】15世帯の完成祝賀セレモニー開催
2012.07.18 【北部 第19報】DOORS OF HOPE:100軒完成を迎えて
2012.06.27 【北部 第18報】社会的弱者に生活の礎(いしずえ)を
2012.06.04 【北部 第17報】安心して暮らせる家の完成に向けて
2012.05.01 【北部 第16報】ホームオーナーストーリー(2)
2012.05.01 【北部 第15報】新たに15軒の建築を開始、社会的弱者を支援
2012.04.19 【北部 第14報】ホームオーナーストーリー(1)
2012.03.23 【北部 第13報】住居完成セレモニー開催、村では電気の開通も
2012.03.01 【北部 第12報】85軒目が完成!新たなスタートラインへ
2012.01.31 【北部 第11報】紛争帰還民の現在(3)
2012.12.19 【北部 第10報】ニラセネ村、ハビタットハウスでの新生活
2011.12.12 【北部 第9報】雨続きで作業困難も、現場で育つコミュニティの絆
2011.10.26 【北部 第8報】建築作業が本格化、住民も積極的に参加
2011.09.19 【北部 第7報】DOORS OF HOPE:100軒完成を目指して
2011.09.01 【北部 第6報】ホームオーナー入居開始!希望のドアを叩いて
2011.07.21 【北部 第5報】15軒目が完成!それぞれの未来に向かって
2011.07.16 【東部 第3報】住居修繕キット配布完了、約1,000人を支援
2011.06.26 【北部 第4報】紛争帰還民の現在(2)
2011.06.25 【北部 第3報】紛争帰還民の現在(1)
2011.06.18 【北部 第2報】自分で未来「建て」直す!スウェット・エクイティ
2011.05.16 【東部 第2報】ニーズを再調査、住居修繕キットをアップグレード
2011.05.16 【北部 第1報】紛争帰還民支援、ホームオーナー選定を実施
2011.05.02 【東部 第1報】水害被災者への住居修繕・シェルター支援を開始
2011.04.18 【スリランカ】紛争/水害被災者支援がスタート!支援募金受付開始