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雨季に入り、農作業が本格化したサンナール村。日中、男性たちが畑仕事で家を留守にする中、女性たちは家事や子どもの世話で忙しそうにしています。そんな家庭を支える縁の下の力持ちである彼女たちは、実はとてもパワフルで社交的です。
   
srilanka-staffletter20121212(3).jpgスリランカの村々には、WRDSと呼ばれる女性だけの住民組織があります。サンナール村でも、女性ならではのネットワークを生かし、祭りの準備の話し合いをしたり、また時には紛争帰還民の土地問題解決を求め、一致団結して行政に「物申す!」ことさえあります。こうした村の活動や会合、トレーニングなどが開かれる時には、祝い事や祭りで着る一番上等なサリーやサルワール(パンジャビドレス)でばっちりきめた女性たちが次々と集まって来て、場が一斉に華やかになります。ドレスアップした女性たちはいつも以上に堂々としていて、積極的に意見や質問を出し合い、いきいきと参加している姿が印象的です(右写真:WRDSのメンバーら)。
   
一方で、戦後の状況は女性にとって決して楽ではありません。例えば、村には内戦中に夫を亡くした寡婦の女性たちもいます。働き頭のいない生活は経済的にも安全面でも想像以上に厳しいものですが、彼女たちは自ら働き手となって小さな食堂や雑貨屋を営んだり、家庭菜園や日雇い労働をしたりして生計を立てています。
   
srilanka-staffletter20121212(2).jpg村の集会所では、家族を養えるだけの自立した生計を営めるようにと、週に一回講師を招いてミシン講座を受ける女性らの姿もあります(左写真)。「子どものためにも、生活費を得られる可能性があるものには何でも挑戦したいから」と、ワンピースを仕立てながら話すサンティリカ(Santirika)さんの眼差しは真剣そのものです。
    
内戦終結から3年半。北部の復興にはまだまだ長い年月がかかります。しかし、現状にめげることなく、いつでも協力し合って、家庭やコミュニティを支える女性たちの忍耐強さとたくましさは、いつも私を励ましてくれます。
     
    
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