「安心して暮らせる住まい、それは健全で豊かな生活を営むための基盤」、そう考えるハビタット・ジャパンは、昨年の2月より、安心・安全に暮らせる住まいを失った女性とその子どもたちを一時的に緊急保護し、自立に向けた支援を行う女性のためのシェルターで、清掃などのボランティアを行うことでシェルター運営をサポートしています。

女性のためのシェルターとはどのようなものか??

恋人や配偶者からの暴力(DV: ドメスティックバイオレンス)やモラハラをはじめ、性ビジネスへの強要から逃れてくる人、住まいを失い今夜寝る場所をなくした人などが一時的に保護される施設です。ハビタットが運営をサポートするシェルターは民間のシェルターで、外国籍の方の保護にも力をいれています。シェルターを利用する背景は国籍により異なり、日本国籍の半数近くが居住なしという問題を抱える一方、外国籍の方の半数はDVを理由に保護されてきます。

シェルター利用者が抱える事情は様ざまで、シェルターの住所は完全に非公開で、厳しいセキュリティにより身の安全が守られています。保護されて数日から2週間はシェルターで過ごし、自立した生活への準備が整うと長期滞在できる施設や居住を確保しシェルターを退所するそうです。しかしながら、中には法的手続きや支援の関係調整に思った以上の時間を要する方もいるそうです。そこで、シェルターでは、入所されている方が休息をとり、本来持っている力を取り戻し、納得のいく方向を自らが見出せるようにサポートすることに加え、入所者に「指導」するのではなく「共に歩む」姿勢を大切にし、シェルターでの日々を気持ちよく過ごしてもらう環境作りを心がけているそうです。そのため、シェルターのスタッフは日々たくさんの業務をこなします。掃除・ベットメイキング、洗濯、食事の準備、入所者との面談、情報提供、依頼元への連絡調整、買い物や病院への同行、外出、電話相談、行事の企画、その他にも、事務作業など多忙な毎日です。

シェルターボランティアを学生が行う意味

そこで、ハビタットは何の経験もないボランティアが一日でできるお手伝いとして、施設内の清掃をお手伝いすることでシェルター運営のサポートを行うことを決めました。施設のセキュリティを守るためにも、ボランティアはハビタットの活動に日ごろ参加する学生団体(キャンパスチャプター)のメンバーをはじめ、所属のわかる会員までとし、月に一度施設内外のお掃除に取り組んでいます。シェルターを利用する女性の中には、キャンパスチャプターの学生と同世代の若者もたくさんいます。シェルターそのものの存在を知らなった上、同世代で厳しい環境におかれている若者がいることを知った学生の中には、問題意識を高め、キャンパスチャプター内で勉強会の時間を持つなど活動を発展させるメンバーもいます。筆者である油井の所属するキャンパスチャプターでも、「なぜ女性シェルターが必要なのだろうか」「身近な人に相談されたら自分ならどうするか」ということを議論しました。答えのない問いなのかもしれませんが、考え、身につけた知識は、これから生きていく中で誰かを救うことにもつながるかもしれないと考えています。

キャンパスチャプターの学生たちが長期休暇を利用して定期的に参加する海外建築ボランティアは相手と共に行う支援(家を共に建てる活動)ですが、シェルターボランティアは、相手こそはいるものの直接関わることが難しい支援です。ボランティア活動と言う意味では同義ですが、その性質は異なるものであり、新しい発見にも出会うことができました。

一か月に一回の支援ではあるけれども、シェルターでのボランティア活動を途切れることなく継続できるのは、キャンパスチャプターによる協働があってからこそです。継続することは何よりも大切なことであり、「誰もがきちんとした場所で暮らせる世界」の実現に向けて一助となるこの活動を引き続き支えて行きたいと思います。(執筆者 インターン油井)